
ゆうき
日本人6人全員通過という快挙を成し遂げたエリザベート王妃の第1次予選。次なる舞台は2025年5月12日(月)〜17日(土)に行われるセミファイナルです。審査は「協奏曲パート」と「リサイタルパート」の二部構成。即応力や完成度に加え、新作への順応性も問われる、極めて過酷なステージです。
🎼 セミファイナルの課題と演奏内容(2025年ピアノ部門)

ゆうき
セミファイナルでは、各ピアニストは「協奏曲(モーツァルト)」と「リサイタル」の2日間出演します!
🎻 演奏①:モーツァルトのピアノ協奏曲
参加者は以下の5曲からいずれか1曲を選択し、指揮:ヴァハン・マルディロシアン、演奏:ワロン王立室内管弦楽団と共演します。
各曲とも、自由に制作したカデンツァを挿入可能。リハーサルは前日1回、本番直前1回のみ行われます。
- 第9番 変ホ長調 K.271 「ジェノヴァ」
- 第15番 変ロ長調 K.450
- 第17番 ト長調 K.453
- 第18番 変ロ長調 K.456
- 第27番 変ロ長調 K.595
このパートでは、オーケストラとの音楽的対話力、さらにはソロとアンサンブルのバランス感覚が厳しくチェックされます。
🎹 演奏②:ソロ・リサイタル
セミファイナリストは、以下の2要素を組み合わせたリサイタル・プログラムで競います。
- プログラム提出①・②
- 各30分以内のリサイタル・プログラムを2種類用意し、合計60分以内の構成を提出。
- 本番の約29時間前に審査員が演奏プログラム①または②を指定。
- 第1次予選で演奏した作品は再演不可とし、プログラムの多様性と深みを図ります。
- 新作課題曲 初演
- アナ・ソコロヴィッチ氏が本コンクールのために書き下ろした《Two Studies for Piano》を演奏。
- 本作は約5分の厳選された練習曲2曲から成り、第1回披露は5月12日の本番。
- 譜面は一次予選通過時に配布され、当日まではすべて非公開。
リサイタルパートでは、レパートリー選定のセンスやプログラム構築力、そして未知の楽曲への即興的対応能力が合否を大きく左右します。
この厳しい2部構成を突破し、ファイナルへ駒を進めるのは24名中わずか12名。音楽的表現と技術の両面で頂点を極めた「真の実力者」のみが、最終ステージに挑むことができます。
🗓 セミファイナル日程一覧(2025年5/12〜5/17)
🎹5月12日(月)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
Davide Ranaldi / ダヴィデ・ラナルディ(イタリア)
Robert Bily / ロベルト・ビリー(チェコ) - リサイタル
Song Hyeon Kim / キム・ソンヒョン(韓国)
Jiaxin Min / ミン・ジアシン(中国)
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
吉見友貴(日本)
太田糸音(日本) - リサイタル
Jacopo Giovannini / ジャコポ・ジョヴァンニーニ(イタリア)※棄権
Yali Zaken / ヤリ・ザケン(イスラエル)
🎹5月13日(火)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
Nathalia Milstein / ナタリア・ミルシュタイン(フランス)
Rachel Breen / レイチェル・ブリーン(アメリカ) - リサイタル
Mirabelle Kajenjeri / ミラベル・カジェンジェリ(フランス)
Denis Linnik / デニス・リニク(ベラルーシ)
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
Uladzislau Khandohi / ウラジスラウ・ハンドヒ(ベラルーシ)
Valère Burnon / ヴァレール・ビュルノン(フランス) - リサイタル
桑原志織(日本)
中川優芽花(日本)
🎹5月14日(水)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
Nikola Meeuwsen / ニコラ・ミーウセン(オランダ)
Sergey Tanin / セルゲイ・タニン(ロシア) - リサイタル
Jinhyung Park / パク・ジンヒョン
Changyong Shin / シン・チャンヨン
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
Miguel Iglesias Lista / ミゲル・イグレシアス・リスタ(スペイン)※棄権
Arthur Hinnewinkel / アルトゥール・ヒンネヴィンケル(フランス) - リサイタル
亀井聖矢(日本)
久末航(日本)
🎹5月15日(木)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
Jacopo Giovannini / ジャコポ・ジョヴァンニーニ(イタリア)※棄権
Yali Zaken / ヤリ・ザケン(イスラエル) - リサイタル
吉見友貴(日本)
太田糸音(日本)
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
Song Hyeon Kim / キム・ソンヒョン(韓国)
Jiaxin Min / ミン・ジアシン(中国) - リサイタル
Davide Ranaldi / ダヴィデ・ラナルディ(イタリア)
Robert Bily / ロベルト・ビリー(チェコ)
🎹5月16日(金)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
桑原志織(日本)
中川優芽花(日本) - リサイタル
Uladzislau Khandohi / ウラジスラウ・ハンドヒ(ベラルーシ)
Valère Burnon / ヴァレール・ビュルノン(フランス)
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
Mirabelle Kajenjeri / ミラベル・カジェンジェリ(フランス)
Denis Linnik / デニス・リニク(ベラルーシ) - リサイタル
Nathalia Milstein / ナタリア・ミルシュタイン(フランス)
Rachel Breen / レイチェル・ブリーン(アメリカ)
🎹5月17日(土)
【現地15:00】(日本時間22:00)
- 協奏曲
亀井聖矢(日本)
久末航(日本) - リサイタル
Miguel Iglesias Lista / ミゲル・イグレシアス・リスタ(スペイン)※棄権
Arthur Hinnewinkel / アルトゥール・ヒンネヴィンケル(フランス)
【現地20:00】(日本時間 翌日3:00)
- 協奏曲
Jinhyung Park / パク・ジンヒョン(韓国)
Changyong Shin / シン・チャンヨン(韓国) - リサイタル
Nikola Meeuwsen / ニコラ・ミーウセン(オランダ)
Sergey Tanin / セルゲイ・タニン(ロシア)
日本人出演スケジュールまとめ
以下は、セミファイナルに進出した日本人ピアニスト6名の出演日程まとめです
推しの演奏を見逃さないよう、ぜひチェックしておきましょう!
5月12日(月)
現地20:00(日本時間 翌日3:00)
協奏曲:吉見友貴さん、太田糸音さん
5月13日(火)
現地20:00(日本時間 翌日3:00)
リサイタル:桑原志織さん、中川優芽花さん
5月14日(水)
現地20:00(日本時間 翌日3:00)
リサイタル:亀井聖矢さん、久末航さん
5月15日(木)
現地15:00(日本時間22:00)
協奏曲:吉見友貴さん、太田糸音さん
5月16日(金)
現地15:00(日本時間22:00)
協奏曲:桑原志織さん、中川優芽花さん
5月17日(土)
現地15:00(日本時間22:00)
協奏曲:亀井聖矢さん、久末航さん
🎬 まとめ
協奏曲とリサイタル――それも異なる2つのプログラムを用意しなければならないという、まさに総合力が試されるセミファイナル。
エリザベート王妃国際音楽コンクールは、世界屈指の過酷さを誇るコンペティションです。
このステージに立つ24名の中から、ファイナルに進めるのは12名。
極限の緊張感の中、どのような演奏が繰り広げられるのか。そして、日本人ピアニストたちはこの壁を超えられるのか——。
その健闘を、心から祈らずにはいられません。
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