2025年に開催されるショパン国際ピアノコンクールの予備予選に向け、日本からも多くの才能ある若手ピアニストが挑戦します。

ゆうき
今回は予備予選出場者の中から、前川愛実さん、中川優芽花さん、中島結里愛さんの3人をご紹介します!
それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながら、ショパンという共通の作曲家に対して熱い情熱を抱き、世界の舞台に向かうピアニストたち。音楽ファンならぜひ知っておきたいプロフィールのご紹介です!
中川優芽花|「音楽は”よかった”と思ってもらうためのもの」
ドイツ育ちの若きピアニスト、世界を舞台に羽ばたく23歳
2001年、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。2歳上の姉の影響でピアノを始め、自由奔放な性格ながら早くから強い個性を発揮。15歳の頃に海老彰子氏の言葉に背中を押され、ピアニストを志すようになります。
ロンドンのパーセル音楽院ではウィリアム・フォン氏に、現在はワイマールのフランツ・リスト音楽大学でグレゴリー・グルズマン教授に師事。「意味のない音を出さないように」と常に問い続ける厳しいレッスンの中で、深い打鍵と豊かな音色を身につけました。
華々しい受賞歴と世界的な演奏活動
- 2018年 イェネー・タカーチ国際ピアノコンクール 優勝
- 2019年 ロベルト・シューマン国際ピアノコンクール 優勝
- 2021年 クララ・ハスキル国際ピアノコンクール 優勝・聴衆賞ほか複数受賞
特にクララ・ハスキル国際は、藤田真央や河村尚子など日本のトップピアニストも過去に優勝したスイスの登竜門であり、彼女の存在を一躍世界に知らしめました。
行く先々で絶賛を浴びる天才
名フィル、大フィル、兵庫PAC、都響、アンサンブル金沢、読響、東フィル、神奈フィルなど、日本の主要オーケストラとの共演が続き、リサイタルも連日満席。「日本人離れの音楽性」「凄まじい才能」「深い打鍵」と称され、聴衆の心をつかんで離しません。
こちらのインタビューでは、2024年9月の浜離宮朝日ホールでのリサイタルについて、「中川さんの音色は本当にすべてが美しく、また言葉をもっているように語りかけてくるように感じました」
と高く評価されました。中川さん自身は、
「本来、音楽は競うためのものではなく、“よかった”と思ってもらうためのもの。自分自身が幸せだと感じる演奏が、結果にもつながると信じています」
と語っており、その誠実な音楽観が聴衆の心に深く響いています。
※引用元:ピアニスト・中川優芽花さん特集(officeyamane.net)
演奏動画
以下のリンクからYouTubeでご視聴いただけます。
クララ・ハスキル国際ファイナルで演奏したショパンのピアノ協奏曲第2番です。この演奏で中川んは見事優勝を決めました!
▶︎ 中川優芽花さんの演奏をYouTubeで見る(クララ・ハスキル優勝時)

ゆうき
是非クララ・ハスキルでの中川さんの演奏を聴いてみてください!音楽性の深みと表現の幅広さ、そして説得力のある演奏に思わずうなります!
中島結里愛|「心に届く音」を届けたい
15歳、今回最年少で挑む天才ピアニスト
2009年12月生まれ。岡山県出身。ショパンコンクールには応募時は中学3年生、現在は高校1年生という今回最年少での出場者です。2025年中に16歳を迎えるため、予備予選の年齢条件をギリギリでクリアし、史上稀に見る若さでの選出となりました。
ピアノとの出会いは物心が付く前から。ピアノの先生である母の指導のもと、4歳でコンクールに出場すると見事優勝。その頃には「ピアニストになりたい」と願い、以来夢に向かってひたすら歩み続けています。
国内外コンクールでの実績
- セザール・フランク国際ピアノコンクール カテゴリーB 第1位
- 第23回ショパン国際ピアノコンクール in ASIA 中学生部門を飛び級で金賞受賞
- 第25回ショパン国際ピアノコンクール in ASIAプロフェッショナル部門(30歳以下)に史上最年少で銀賞受賞
- 第14回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japan 特級部門 金賞・グランプリ・杉谷昭子賞
- 第21回大阪国際音楽コンクールリサイタルコース最高位
- 第8回津山音楽コンクール全部門総合グランプリ
など、国内外の主要コンクールで“年齢を超えた実力”を証明してきました。
「音楽でコミュニケーションを」(出典:KSBニュース瀬戸内海放送)
中島さんが今もっとも大切にしているのは、作曲家がその旋律に込めた「思い」を読み取り、できる限り忠実に音に反映させること。
「ここのメロディーは誰のことを考えて書いたのかと思ったら、その思いをできるだけ再現できるように自分なりに表現方法を考える。これから一生かけて学ぶことだと思っている」
曲に込められた物語や背景を丁寧にくみ取りながら、自身の演奏を通して聴き手にその本質を伝えることを目指しています。
また、演奏活動を続ける中で、彼女自身も不安や迷いを感じることがあると言います。そんなときこそ、音楽が未来への道しるべになるのだと話しています。
「私も実際将来のことが不安になったりすることが結構最近あって、でもそんな時に音楽を聞いたり演奏したりすると、将来の夢だとか希望を思い出させてくれる。世界中の方にそれを実感してほしいと思っている」
その思いは、彼女の演奏スタイルそのものに宿っており、「音楽で誰かとつながりたい」という願いが、ピアノの一音一音に込められています。
「ピアノは私の友達。演奏するたび、将来の夢や希望を思い出させてくれる。音楽でコミュニケーションをとることが私の夢です」、「心に届く音」を届けたいと語ります。
前川愛実|誠実の中に燃える情熱 世界に挑む20歳
実直さと才能で歩み続ける、未来の本命ピアニスト
2005年生まれ。5歳から桐朋学園子供のための音楽教室(目黒)でピアノを始め、現在は桐朋学園大学音楽学部で学んでいます。これまでに光安優子、横山幸雄、中井恒仁の各氏に師事し、着実に実力を磨いてきました。
数々のコンクールで受賞
- 第22回ショパン国際ピアノコンクール in Asia 高校生部門 金賞/ソロアーティスト部門 銀賞
- 第4回Kグランプリコンクール 総合第1位
- 第9回デザインKピアノコンクール 高校生動画部門 第1位
- 2022年 Pacific Stars 国際ピアノコンクール グランプリ
- 2022年 WPTA Finland 国際ピアノコンクール Gold/Absolute Prize
- 第1回 Singapore 国際音楽コンクール 金賞
- 2022年 Intʼl Amadeus Online ピアノコンクール 第1位/Assolute
- 2022年 San Francisco Artcial 国際ピアノコンクール 第2位
などなど、若くして国内外の難関コンクールで華々しい成果を残しています。
指導者との出会いが育んだ音楽性
前川さんは、横山幸雄氏、中井恒仁氏ら国内有数の指導者に師事し、繊細で柔軟な表現力を磨いてきました。国内外のコンクールで培った経験により、ショパンをはじめとした幅広い作品で高い評価を得ています。

ゆうき
前川さんは丁寧な演奏が印象的。その中に時おり顔をのぞかせる情熱の光──
ショパンコンクールを通してさらにピアニストとして成長することでしょう。
まとめ
それぞれに異なる個性とバックグラウンドを持つ3人のピアニストたち。

ゆうき
ショパンコンクール予備予選で、前川さん、中川さん、中島さんの演奏が世界の耳にどう届くのか。今から目が離せません!
今後も、ショパンコンクール予備予選に出場するピアニストをご紹介していきます!
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